独学・独習で音楽に向かうための基本スタンス ①
目的がなにであれ、どこにあれ、指導を受けるか、ひとりでチャレンジするかは、まず当人の覚悟と自信、次に年齢ではないかと思います。前者は他人ではわからないことですのでお任せするとして、後者はやはり「目的・目標」と「想定される余生」の勘案、ということではないでしょうか。不惑といわれる40代で楽器のレッスンを受け始める。50を超えたらどうか、、、。結論からいって、技術的にであればすべて可能です。では10代・20代できちんとした指導者のレッスンを始めるのとはどこがちがうのか。繰り返しますが、本人のやる気次第で、技術的にはたいした差が出ないはずです。ではどこに差、ではなく違いが生じるのか。まず言えることは、若者のように「まわり道」ができる時間敵余裕がないことです。次に「強い動機で好きなものに集中できる」パワーがやはり落ちます。そもそも、学校サボって日がな一日同じ楽曲を聴き続けるなんてできません。まわり道、と「身につける苦労」は半分ぐらい同義といえますので、いざというときの対処力などにおいてクソッと感じる局面に遭遇するかもしれません。しかしそんなのは気にするほどのことでもないのです。音楽で命を落とした者はいません。本当の問題は「音楽性を指導できるかどうか」にあります。技術的にいくらできても、音楽はサーカスの妙技を見せるものではないですから、「音楽になっているかどうか」が重要です。従って、熟年で始めてもそれまで優良な音源を聴いていたかどうかで雲泥の差が生じますし、若年で良い指導者に恵まれないケースと熟年で音楽的に優れた先生に出会うのとでは、後者がより多くの実をもたらすことは自明です。これらとは別に、自分のための音楽を開発するのか、聴き手に理解してもらい楽しんでもらえる音楽を身につけるのか、には大きなちがいがありますが、これについては次回に譲ります。