音楽系

ネット新時代の互助形態

ジャズや軽音楽において「指導の権威」という存在は、名演や圧倒的支持以外、クラシックと比較すればないに等しい。とはいえ「音楽の理論」自体は万人のものだから、いろいろな理屈が共有されて当然だし、音楽大学の中も、学者になりたいひともいれば、技術専門学校と捉える学生もいる。そもそも音楽のレッスン自体、教育というよりはコーチングの性格が強い。いずれにせよその全体的情報量は長い間、船や車がなかった時代のように限定されていました。そこに登場して、情報流通をほぼ無限と言ってよい環境にしてしまったインターネットは、分野無差別にコミュニケーション革命をもたらしています。特にYouTubeは、たとえとして適切かどうかわかりませんが、地中海や日本海などそれぞれの地域で周辺の市場しかなかった漁業を、地球の海洋すべてで自在且つタイムレスな流通管理を可能にしたようなものです。だから中には食えない魚もいれば危険なのも役に立たないのもいるのですが、これは経済や科学も、政治や学術の世界も同じことです。ベストはなかなか見つからないが、ベターで満足はできる、というやつです。しかし世間が圧倒的に評価している才能や支持される概念にワンクリックで接することができる現実は、インターネットメディア以前にはなかった。これは事実であり、そこに新しい努力の価値が生まれています。その車体とエンジンに匹敵するのがまずアプリシエーション、つまり「評価能力」と語学、、、まぁ英語となるのは仕方ないですね。この2つを、当のメディアを使って、個々に成果を上げる努力のサポートができれば、それが最も時代のニーズといえるのではないかと考えました。原則無償で成果報酬、という理由は、まだどれだけの利益や有用性が保証できるか不明なのと、我々が支援する非営利社団法人のボランティア群に英語ネイティブの知識人・音楽関係者が多いことです。主宰者としては、これも現代にひとつあるべき互助形態かと考えています。

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