情報過多時代に問われる選択・計画・集中力
YouTube、特に外国の「指導系」クリップの数量・内容・質は、まちがいなく自分が大学時代に与えられたカリキュラムの数百倍はあるな、と情報テクノロジーの進歩を呆然と眺める自分に気づくのですが、これら珠玉の指導教育動画も、受け手によっては「過ぎたるは及ばざるがごとし」とも言えます。その一ですが、まず私の友人に、すごい指導クリップを収集ばかりして喜んでいる愚かな奴がいます。この男、楽器もかなりの数の名器に囲まれて暮らしているのですが、若いころからいままで、きちんと弾いてる姿を見たことがありません。バンドやセッションの話も聞いたことがない。しかし一緒に飲んだりしていて、数万フォロワーという指導者の「良さ」や能力の話になると、私の勝手な判断ながら、誠に的確なんですね。うーむ、世の中にはこのような「能力」もあるのか、と感心しますが、やはり楽器も情報も「集めただけ」では悲しすぎます。ダウンロードしたり整理したりする時間もさることながら、その前に、無償提供されているすばらしいプレーヤーたちのクリップひとつが提示するテーマやエチュードに正面から取り組んだら、1週間10日では足りないものばかりのように感じます。死ぬまで楽しめるのはいいとして、宝の山というのも考えものです。それにしても、このブログでご紹介したい秀逸指導者のコンテンツと体系は、コレクションのためのコレクターを生み出してもおかしくないものであることはたしかです。